「映画を早送りで観る人たち」から考えるプラモデルの薦め方
話題の本なので、読まれた方もおられるでしょう。
私も早送りすることが増えてきたと感じます。もともとは、映画に登場する船や飛行機の登場シーンを探す目的だったのですが、最近はとりあえず早送りするという映画やテレビ番組も増えてきました。
この本を読みながら、プラモデルをもっと幅広く楽しんでもらうにはどうすれば良いかを少し考えてみました
なぜプラモデルを楽しんで欲しいか
まず、そもそも
なぜプラモデルを楽しんで欲しいか
という問いに答えたいと思います。
新しい人が入ってきてお金を使ってくれたら、私の好きなあんな飛行機とかあんな船のもっと良いプラモデルが出たり、もっと良いツールがでてくるから
です。身も蓋もない意見なのですが、ほぼこれです。
ひょっとすると私よりも5歳くらい上の世代は違うのかもしれませんが、新しい世代が入ってきてくれなければ市場は縮小するであろうとロスジェネ世代の私は思っています。
映画を早送りする人にどうやってプラモデルを薦めるのか?
プラモデルは、まず覚悟を決めて道具を買って、〇〇という資料を閲覧して、試行錯誤を繰り返しながら、修行のような作業を繰り返し、高みを目指すもの
なんて言ったら、新しい世代は入ってこないのですよ。なぜなら、プラモデル以外にも楽しい事はいっぱいあるから。
また、こういう「覚悟を決めろ」的な意見をいう人に強く言いたいのは、
歴史的に見て、プラモデルは「ソリッドモデル(木を削って作る模型)に比べれば、形にするだけなら遥かに簡単」だから大衆化したのではないですか?
ポイントは4つ
・「大失敗しない」という「正解」を先に示す
・モデラーがチートであると錯覚させるようなキットを薦める
・オープンワールド的なプラモデルの楽しみ方を薦める
・評論や評価ではなく共感を書く(ライターやモデラーという「己」ではなくキットを紹介する)
「大失敗しない」という「正解」を先に示す
「失敗することを過度に恐れる」=「タイムパフォーマンスが悪い事を恐れる」という事を理解してあげれば、ある程度薦め方を考えられるのではないでしょうか?
つまり、3000円出して買ったプラモデルを無駄にするような「大失敗」はしたくないし、作った時間を無駄にしたくないんですね。
「大失敗」しない正攻法を示した上で、仮に正攻法でうまくいかなくても、できる限りのリカバリー法を伝えた上で、「それは失敗ではないですよ」と声をかけてあげる事ではないでしょうか。
プラモデルは工業製品であるがゆえに一定の均一性が担保されています。だからこそ、大失敗を避ける方法を伝えやすいんです。例えばタミヤの1/72 零戦二一型のプラモデルなら、私が手にしているプラモデルもあなたが手にしているプラモデルも同じですから、難所とかコツもおなじです。
更に「買ったプラモデルを無駄にする」のを避けるというなら、仮にパーツを破損したりデカールを貼りそこねてもパーツ請求が安価にできる国産のプラモデル、特にタミヤとバンダイを薦めてはいかがでしょうか?チェコ産のうん万円のプラモデルのクリアーパーツ割ったら私も寝込みますし。
モデラーがチートであるようなキットを薦める
「モデラーがチートであると錯覚させるようなキット」というのは、説明書通りに組み立てる時にモデラーに高度な技術を要求しないものです。
ファイナルファンタジーで言えば、ファイア、ファイラ、ファイガと覚えてやっとプラモという敵と戦えるというものではなく、いきなりファイガを覚えた状態だと錯覚させるようなキットですね。
例えば21世紀のタミヤのプラモデルなら、左右逆には差し込めないようになってますし、ゲート処理は別にして「すり合わせ」とか「バリ処理」なんてしないでしょう?
おっさん世代的な言い方なら
組み方を間違えたらそれは自分が悪いと思えるキット
ですね。
オープンワールド的なプラモデルの楽しみ方を薦める
説明書を見て最初から作って、最後まで進めたらプラモデルクリアー!とか思ってませんか?
飛行機ならコクピットだけとか、ミサイルだけとか、艦船なら主砲だけとか作っても一向にかまわないんですよ、そのコクピットだけとかを照明に凝ってスマホで撮影するとかももちろんOK!・・・・・・、いや、昔から居たよそういうモデラーがwww
塗装もしなくても良いし、別に合わせ目なんて消さなくても全然OK
なんていう勧め方もしたいですね。
・評論や評価ではなく共感を書く(ライターやモデラーという「己」ではなくキットを紹介する)
ライターという「己」の感想ではなく、キットそのものの紹介やキットを深掘りするファンブック的な共感を目にしたい という欲求が強いので、特にネガティブなキットの評価や評論は控えめにして、プラモデルを作るときに共感できるような事をメインにすると良いのでしょう。
YouTubeみたいな表情なども見えるなら話は違うのかもしれませんが、画像とテキストだけなら、あまりネガティブな事は書かない方が良いでしょう。
メインHPでもそろそろ再開したい
メインHP
のコンテンツ改良作業を1年ほどかけて進めてきて、間もなく完了予定なので、上に書いたような方法でもプラモデルの紹介もできればよいなと思っています。
ただHPが良いのかインスタが良いのかちょっと難しい所かなと思っています。少し前に榛名の制作をインスタで連続的に公開して、まずまずの感触だったのでインスタの方が良いのかな?とも思っています。
投稿者プロフィール
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模型工房M代表。
模型好き。カメラ好き。宝塚歌劇好き。
各模型雑誌で掲載多数。
艦船模型、飛行機模型、AFV模型などプラモデル全般の制作代行も承っております。製作代行のご案内ページは現在製作中です(2024年4月1日)
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